コンシューマー向けの360度カメラが発売されてから早6年ほど経ちました。今では、GoProなどの有名企業も360度カメラの開発に注力しています。
そんな中で、高品質で高画質な360度カメラを開発、販売している中国の新興メーカー、Insta360が360度画像はもちろん、VR用の180度3D画像も撮影できることのできるInsta360 Evoを2019年3月に発売しました。
今回、そのInsta360 Evoを購入したので、ファーストインプレッションをメインにレビューしていこうと思います。
目次
Insta360 Evoとは
まず、Insta360という会社は中国の深センに拠点を置き、360度カメラを開発していました。その中でも、ヒット作となったOne Xという360度カメラでGoProなどの大企業とも比較されるくらい有名になり、大いに360度カメラ業界とVR業界を賑わせた会社です。
そして、そのInsta360が新たに発売したコンシューマー向けのこのカメラのコンセプトですが、このカメラは5.7Kの360度画像と映像はもちろん、180度の3D画像、映像を撮影することができます。
どのようになっているかというと、カメラが変形して背中合わせになったり目のようになったりします。
これによって、二つの違った種類の映像が撮影できるということです。
Insta360 Evoのスペック
レンズ口径:F2.2
写真解像度:6080*3040 (18 MP)
動画解像度:5760*2880@30fps,3840*1920@50fps,3840*1920@30fps,3008*1504@100fps
ジャイロスコープ:6 軸ジャイロスコープ
重量:113g
サイズ:広げる:98.4mm×49mm×26.27mm;折りたたむ:50.3mm×49mm×52.54mm
バッテリー容量:1200mAh(5V 2A)
充電方法:Micro USB
充電時間:90 分
持続時間:65 分
引用:https://www.insta360.com/product/insta360-evo/?locale=ja-jp
ファーストインプレッション
まだカメラを手にしてから数日しか経過していない状態でのファーストインプレッションをしていこうと思います。
良い点
①3D画像がおもしろい
360度カメラで撮影した画像をVR機器で見てみると、その空間の中にいるような感じになります。
しかし、慣れてくると感じるのが、やはり空間ではなく画像に囲まれた世界にいるということです。
一方で、3D映像は立体感があるので本当にその景色を目の当たりにしているような体験ができます。
旅行の記録、家族の思い出などをこうして立体的に記録し、後々VR機器を使ってその日に戻るというような体験ができてしまう。これはカメラの新しい姿だと思います。
②360度画像、動画が綺麗
360度の画像と動画に関しては、One Xとほとんど変わりません。One Xで話題となった驚異の手振れ補正、FlowStateもしっかりと効果を発揮しており、本当に手持ちでジンバル不要の映像を取ることができます。
③サッと撮れる
360度カメラは基本的に構図を気にする必要がありません。全体を映すか、180度モードにして目の前の景色を映すか、という二択です。
撮影モードも本体上部で切り替えができる静止画か動画かのみです。
したがって、サッと取り出してサッと撮り、あとからスマホのアプリで編集をすればいい映像を作ることができます。
本当にすべてが写っているので、躊躇なくシャッターを押すことができます。
④見た目
見た目もいい点の一つです。開いたり閉じたりするギミックも面白く、ガジェット好きにはたまらないと思います。
本体のさわり心地も少しグリップが効いているので、滑って落とすということもなさそうです。360度カメラはレンズがむき出しなので、一回でも落としてしまうと傷がついてしまう脆いカメラなので、このさわり心地とグリップ感は大事です。
発売前に言われていた開くギミックのための可動部もそれほど脆そうには見えません。このあたりは数年使ってからようやくわかると思います。
⑤付属品の品質がいい
今回購入したのはベーシックキットで、このキットには本体と3DViewer、そして小型三脚が付いています。
このカメラは、デザイン的に三脚や自撮り棒を付けずに手持ちで撮影することは困難です。したがって、付属品の三脚の品質がいいのはとても良い点です。
また、おもちゃ程度だと思っていたスマホにつけるタイプの3DViewerも、ちょっと画像を見るという用途ならば気軽に使うことができます。調整がシビアですが、覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。
画像の確認のためだけにVR機器を立ち上げるのはめんどうなので、手軽な選択肢があるのは非常に助かります。
悪い点
①本体にディスプレイがない
まずは、本体にディスプレイがないという問題です。構造上、付けるところがないので仕方ないですが、上部に小さいものを付けてくれるだけで大分助かります。
本体にはLEDが付いていて、その色とビープ音でざっくりとしか伝えてくれないので細かいバッテリー残量の管理などはすべてスマホからじゃないと見れません。
これが少し面倒な点でもあります。特に、本体だけでかなりの設定ができるOsmo Pocketなどと比べると不便に感じてしまいます。
②充電がマイクロUSB
充電がマイクロUSBの規格なので、Type-Cに移行しつつある人にとっては新たに一本別のケーブルを持たなくてはならないので煩わしく感じるかもしれません。
③バッテリーが交換式ではない
One Xは交換式だったのに対してEvoはバッテリーが内蔵式です。したがって、出先での撮影中に充電が切れてしまったらモバイルバッテリーなどで充電をする必要があります。一眼ユーザーからしたらこのような手間は面倒に感じてしまうので、できるだけバッテリーは交換式のほうが好ましいです。
④スマホとの接続がWifi接続
このカメラはBluetoothではなく、Wifiでスマホと接続します。これが少し面倒で、Bluetoothなら起動したら自動で接続してくれますが、Wifi接続だと別のインターネットにつないでいる場合、設定画面からいちいち変更しなくてはなりません。
また、その間はWifi経由での通信ができないのでそれも不便な点です。
⑤ケースがよくない
小さい点ですが、付属のケースがあまりよくありません。
素材はぺらぺらで、レンズの保護力が0に近いことに加え、ケースへは開いた状態でしか収納ができません。つまり、360度映像を撮影して収納するときにはいちいち展開して入れなければいけないということです。
また、一番致命的な点はしっかりと閉じれないということです。自然に口が開いてしまうので、カバンの中などでカメラがスポッと抜けてしまいそうです。
360度カメラはレンズがむき出しの分、扱いに気を遣うのでケースくらいはしっかりとしたものを作ってほしいと思いました。
まとめ
数本の動画を撮り、VR機器で見てみましたが、個人で180度3D映像を記録できるのは画期的だと思います。
これから暖かくなり、旅行にも多く出かけると思いますが、その時に目の前にある景色を3D映像として残せるということは新しい体験です。
また、手振れのひどい3D映像はVR酔いを引き起こしてしまいますが、このカメラはFlowStateもばっちり効いておりVR酔いをすることもありません。
やはりOne Xという名作を開発した会社だけあって、Evoもしっかりとしたいいカメラだと思います。